ビートルズ『サージェント・ペパーズ』50周年記念アニバーサリー・エディション

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『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band 』は1967年にリリースされ、20年後の87年に初CD化、2009年にはビートルズ全アルバムがリマスターされデジタルで聴けるようになっていた。

 

そして今回、67年のリリースから半世紀たってこのデラックス盤がリリースされていた。

 

劣化のない新しいサウンド

2009年のリマスター盤と聴き比べると、やっぱり音が違うのが分かる。 とくにヴォーカルがより深みのある音になっている。

 

 

 

現代のレコーディングでは楽器もヴォーカルもそれぞれが別々のトラックに録音されていく。 この録音がデジタルで加工されて、最終的なミックスに出来上がっていくのである。

 

しかし『Sgt. Pepper’s』が制作された1967年当時のレコーディング技術では、テープは4トラックのみで、もちろんデジタル技術などなかった。

 

音を重ねていくには、ギターをトラック1、ベースをトラック2、ドラムをトラック3に録音し、これをトラック4に重ね合わせて一つのトラックを完成させる。 次にこの楽器トラックに合わせて、メインヴォーカルをトラック1、別のヴォーカルをトラック2にレコーディングし、楽器トラックを合わせた3つのトラックを重ねてトラック4を完成させる・・・ こうしてレコーディングが進められていった。

 

このやり方だと作業が面倒くさいだけでなく、どんどんと重ね録りをしていくために音質が劣化していってしまうという欠点があった。

 

幸運なことに、ビートルズのレコーディングテープはすべて元のまま残されている。 そのため、重ね録りする前のギターだけのトラック、ドラムだけのトラックなどがそのまま残されていた。

 

2017年にリマスターされた『Sgt. Pepper’s』では、この重ねてしまう前のオリジナルのトラックを使ってミックスされ直したため、それぞれのサウンドに劣化がない状態で曲が完成されることになった。

 

「Sgt. Pepper’s」と「A Day in the Life」

『Sgt. Pepper’s』はアルバム全体の統一感という意味では超一級品だが、収録曲一つひとつはそれほど質が高くない、というような意見も今まで耳にしてきた。 たしかにシングルカットしてヒットしそうな曲はあまりないかも知れない。

 

しかし「Sgt. Pepper’s ~ With a Little Help from My Friends」と「A Day in the Life」は楽曲としても傑作だと思う。 このアルバムがリリースされるとすぐにジミ・ヘンドリックスが「Sgt. Pepper’s」をカヴァーしたし、「A Day in the Life」は数多くのミュージシャンがビートルズの最高傑作の1曲として評価している。

 

とくにジェフ・ベックがギター1本でこの曲を再現してしまうのがいつ聴いても印象的だ。 

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Deluxe Edition)